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伊丹十三記念館を見学

 

今日は東京から愛媛の現場へ移動中。以前より気になっていた、松山市内にある中村好文氏設計の伊丹十三記念館を見学することに。

 

 

住宅を中心に設計されている中村氏の作品の中では最大の大きさということ、そんな大きな四角い箱型建築ですが、外観はとても味わい深く、自然な雰囲気が醸し出されているのは、仕上げが木だからでしょう。

 

 

よく見ると外壁は焼き杉板貼り、釘はあえてステンレスの丸頭釘でパターンを作っている。耐久性が非常に高い焼き杉板は徳島に製造工場があるということで、いつか使ってみたい素材です。

 

 

外のガレージには伊丹氏晩年の愛車、ベントレーが展示されています。

 

 

四角い建物の真ん中には中庭のある回廊が設けられており、それを取り囲む様に展示室やカフェ、保管庫が配置されています。全面の大きなガラスには伊丹氏の描いたタンポポのスケッチが、

 

 

伊丹氏幼少期の写真や絵が飾られたコーナー、小学生が書いたとは思えない上手な絵には、才能が溢れ出ています。また、父で映画監督の伊丹万作氏が撮影した家族写真のとても素晴らしいこと。

 

 

ライトボックスになった壁に、映画のポジフィルムが鮮やかに貼り付けられていて、1コマずつ目で追いかけてしまいます。

 

 

こちらは天井から垂れ下がった帯に伊丹氏のイラストがプリントされていて、軸のハンドルを手で回すことで作品を楽しむ仕掛け、ほかにも、引き出しの中身を探しながら鑑賞する仕掛け、伊丹十三にならって13のテーマでの展示、中村氏ならではのユーモアが溢れる展示になっています。

 

 

展示室から出て、中庭には桂の木が1本、その下にはクローバーやタンポポ、あえてどこにでもありそうなグランドカバーを選ぶことで、とてもさりげなく、眺めていて落ち着く中庭になっています。

 

 

回廊の脇には、そんな中庭を眺めるベンチが、座板の奥行きは18cmしかありませんが、不思議とこれでしっかりお尻が据わります。

 

 

最後にカフェで休憩、室内側の床はすべて鋸目の入ったナラ、色は濃い目に塗装されています。建築が気になって入館したはずが、展示の工夫に目がいって、建物の方は印象ばかりが残る、記念館としては狙いどうりなのかもしれません...

 

気持ちのいい空間

 

今日は紅葉が始まった軽井沢へ、軽井沢の別荘は大工工事がおおむね終了し、あとは棟梁の西元さんがひとりで細かい仕上げと塗装を終わらせていきます。

 

 

室内はきれいに片付き、スリッパ不要。白系の素材でまとめたリビングダイニングは、とても気持ちのいい空間に仕上がっていました。

 

 

オイルを塗る前の真っ白なカバの床材が美しく輝きます。

 

 

こちらはオイル塗装が終わった寝室の窓。どの部屋の窓からも緑が切り取られるところが、都会ではなかなか出来ない贅沢。

 

 

ゲストルームは一足先に仕上げが済んでおり、クロスと残った資材がきれいにまとめられています。隅々まで大工さんの丁寧な仕事が伝わって来るとても気持ちのいい現場でした。

 

 

 

 


午後からは、脇田美術館主催の建築ワークショップに参加。吉村順三氏が設計した脇田和氏のアトリエ山荘が特別公開され、その室内を見学する事が出来ました。

 

 

空間と家具の構成、スケール感、細部までしっかりと考え込まれた設計である事は言うまでもありませんが、ここの空間に身を置くと「気持ちのいい」という表現しか思い当たらないのは吉村語録に影響されすぎでしょうか...

 

 

室内の家具、調度もとても素敵なものばかり。今回のワークショップは建築と家具というテーマで、吉村事務所の家具製作に携わって来た丸谷芳正先生のお話も大変興味深いものでした。

 

 

山荘の一番奥、画家のアトリエへ。大谷石の分厚い窓台が可愛らしい。

 

 

脇田和氏という日本画家について、これまで全く知識を持ち合わせていませんでしたが、その絵を眺めていると、どこか気持ちが引き込まれるような、不思議な魅力を感じます。

 

 

このパネルの真ん中が、吉村順三氏がたためる椅子の構想を最初に記したスケッチということ。こちらもまた、ぐっと引き寄せられるような魅力的なスケッチです。

初雪の北海道をあとに

 

今朝、自宅のロフトにはいつもよりも白く明るい光が入り込み、朝に弱い息子も窓の外に積もった雪がうれしくて一気に目覚めたようです。紅葉の木々に覆いかぶさった久しぶりの雪の美しさに見とれていると、進行中の現場に支障が出るのではとハッとします。そんな北海道をあとに、早朝の便で関東へ。

 

 

 

 

メンテナンスのついでに、埼玉県で建築中のT邸に立ち寄りました。T邸では、年内の完成を目指して外壁貼りと内部の下地作りが並行して進みます。

 

 

今や関東ではほとんど見かけない外壁の杉板張り作業は大工さんのお仕事。地元の大工さんが窓周りを時間を掛けながら確実に収めます。

 

 

内部では独特な作りや自社建材に慣れている北の住まいの大工さんが、細かな造作や下地作りをどんどん進めているところ。

 

 

T邸の完成まで通しで担当する予定の室井くん。今年は本州物件メインであまり北海道には戻れませんでしたが、その分沢山の経験を積んで徐々にレベルアップしている様子。

 

 

新川棟梁も愛媛の家のクロス貼りや珪藻土塗りが終わるまで、助っ人として関東に移動してきました。

 

 

先輩大工さんの心強いバックアップもあって、現場のペースは上がり、完成までの道のりも着実に見えてきています。

 

北海道 ふたつの基礎現場

 

北海道でふたつの基礎現場が進んでいます。

こちらは札幌「山の上に建つ家」高低差が大きくて工事車両が入っていけないなど、難しい条件の敷地でしたが、整地が終わり、基礎の構造もまとまり、ようやく着工にこぎ着けました。

 

 

崖の部分は地山と呼ばれる非常に硬い地層に基礎荷重を乗せることとなり、階段状に下がっていく高さのある布基礎に決まりました。現場の立木を利用してやり方を出します。

 

 

建物背後に覆い被さる原生林から見下ろします。

 

 

苦労する敷地ではありますが、建物が建った後の眺望は格別なものとなるでしょう。

 

 

 

 

東川でも「二枚の片流れ屋根の家」基礎工事が始まっています。昨日は、地下室の布基礎とスラブの打設。先に地下室部分の箱を作って、後からそれ以外の布基礎を繋ぎます。

 

 

 

清々しい秋晴れの中、打設は無事に終了。

 

 

今朝は一面に霜が降りた東川、大雪山はすでに雪化粧で真っ白。麓に雪が降り積もる前に、基礎工事はどんどん進みます。

愛媛の家 あと一息

 

愛媛の家、日曜日の静かな現場で外構工事の打ち合わせと内部仕上の確認をしました。

 

 

室内はしっかりと養生された中で、梁や柱の塗装が終わりました。

塗料はシックな色合いが揃うイギリスのFARROW & BALLペイント。

 

 

大黒柱と梁、その上に立つ小屋束と母屋の塗り分けは、カバ材の床、ライムストーン、そしてこのあと仕上がるクロスとの色バランスを考えて選んでいますが、このあとの仕上がりが楽しみです。

 

 

 

浴室も壁のタイルがきれいに貼り上がっています。

 

 

玄関に新川さんが書いた物置の手板が置いてありました。

面積3,185×1,820の小さな建物ですが、間違いなく加工するために、図面から手板を一度書いて頭に叩き込むのです。

 

 

基礎も出来上がり、今週はカーポート、物置の建て方です。

 

 

愛媛の家では、11月12日(土)、13日(日)の2日間でオープンハウスをさせて頂くことになりました。

詳しい内容はあらためてホームページで告知させて頂きます。

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